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EAL: 第3回「コンテでまかなうプレゼン資料」

投稿日:

 

動画コンテを作り終えた後は、音楽の清水くんや声優さんなど、音関連の方々に協力を依頼するメールを送りました。
今回はその際に同封した企画書や、その後作成した資料を振り返ります。
数が少なく内容も簡素なのですが、逆を言えば、これだけで十分だったということでもあります。非常に楽できたな、という視点で振り返っていければと思います。

企画書

前回ご紹介した動画コンテと共に、企画書だけは資料を作成してお送りしました。見ず知らずから届いた12~3分の動画を観るのはハードルが高いからです。
企画書用の絵はありません。全部コンテ絵を貼っておきました。このためにも、先にコンテを仕上げておいたのは有効だったと思います。作品のねらいや、制作期間などは、その場で考えて書きました。

ちなみに、報酬のあたりは、念の為伏せておきました。お金に関して、ざっくり言及しておきますと、謝礼と交通費、スタジオ代を含めても、全部で50万かかっていないです。しかしながらこれは、各方面から気を遣っていただいた結果なので、人によってはもっとかかるでしょうし、僕自身もこの先は上げていかねばならないと思っています。

アフレコ台本

今作は、作画を始め、基本ペーパーレスで制作していますが、その中で唯一紙を使用したのが、これです。
スマホやipadを使おうかとも思ったのですが、メモを書き加えたり、モニターを見ながらページを移動したりということを考えると、紙のほうが良かろうと判断しました。
普通紙の簡単なものですが、製本も手製です。声優さんと、コサエルの浦本さんに手渡しして使ってもらいました。予備も含めて5部しか存在しない、貴重なものです。

音楽発注書類

ひどく簡素ですが、企画書以外に渡したのは、これだけです。
前作『CALLING LINE』でも似たような発注書を出していますが、清水くんから文句を言われたことはないので、たぶん問題ないのでしょう。
直接会って打ち合わせした時も、補足程度にしか話をしておらず、そのあたりドライに作れたのが良かったなと思っています。

 

資料と呼べるものはこれくらいです。絵の方の共有が一切なかったので、これだけで済んでいるのだと思います。アフレコ台本は、作る必要性に気付く瞬間まで、一切頭になかったので、驚きました。作るのはわりと楽しかったです。
あとはだいたいメールで、文章でのやり取りが主体でした。実はこれが結構な量ありまして、100通を超えてgmailのスレッドを立て直した記憶がちらほら……。次はメールの量を減らすのが一番の課題かもしれません。

次回はいよいよ、アニメーション制作の工程を振り返ります。コンテ状態から、作画、彩色作業を終えるまでが主な内容になると思います。たぶん一番密度のある回になりますので、お楽しみに。

-イージー・アニメ・ライフ
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EAL: 第2回「1カット目から描けばいい」

投稿日:2018年10月27日

 

第2回ですが、今回はコンテについて資料と共にまとめていきたいと思います。

絵コンテ

絵コンテ_1カット目

今作を作る上で、一番初めに描いたのは、絵コンテの1カット目です。
前回ワークフローで説明した通り、タイトルと、キャラ名、おおまかな構成の文字情報をメモした後の作業がこれです。
最終画面に残らない絵は、1枚たりとも描きたくない、という気持ちだったので、とにかく1カット目から描き始めました。

解像度は本番用と同じ(1600px, 900px)です。レイアウトとして使えるものを基準として描き始めています。

当時はphotoshop CS4で描いていて、一コマ描く度に、スマートオブジェクトでコンテのレイアウトにまとめていました。

今思えば、先んじてクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)を買っておいて、それで初めから描けばよかったと思います。コンテを描き始めた頃は、そのあたりのことを知らず、PCに入っていたCS4で作業を開始しました。photoshopを使用するにしても、スマートオブジェクトの「リンクで配置」ができるCC以降を使用するべきだったと思います。

 

絵コンテ抜粋_001 絵コンテ抜粋_002

キャラデや、服装、舞台の設定などは、必要になった時に、その場で考えて描きました。例えば、亀井(女の子のほう)の容姿は、彼女が出てくる1カット目まで、僕も知らないまま描いていたりしたのです。
もちろん、これできちんとしたデザインができているとは思いませんが、そこをがんばったところで、半人前にも満たない力量だと思うので、これでいいと思います。

 

絵コンテ抜粋_003後半もカラーで作ってあります。このあたりの背景は本番でもそのまま使えました。

動画コンテ

絵コンテ完成後は、動画コンテに落とし込みました。

動画コンテ_キャプチャ

上下に帯を入れてボールド等追加しています。セリフは言葉自体も入れました。こうしておくことで、声優さん等に依頼をする時に、絵コンテを送らないで済みます(ゆえに上記の絵コンテは、僕以外誰も見たことがないのです)。

また、動画コンテのコンポジットも本番用のサイズでできるので、カメラワークや歩きのローリングなども本番でそのまま使えます。作画とBGだけ本番用のものに差し替えれば、それだけでもう完成に至るのです。
以下、簡単にダイジェストにまとめたので、埋め込んでおきます。

SEや仮のBGMも著作権フリーのものを先んじて入れておきました。そのほうがタイミングが計りやすいですし、作品のイメージも伝えやすく、音響のたたき台としても使えるからです。
アフレコ時やBGM録音時に、参考のモニターとして使うこともできます。

参考のため、お借りしたサイト様のリンクを貼っておきます。

SE
効果音ラボ
無料効果音素材

BGM
DOVA-SYNDROME

これらのサイト様だけで十分賄えました。授業課題や、簡易的な自主制作であれば、そのまま完パケでもよかったくらいです。

まとめ

今作では、このようなテイストで絵コンテのほうやってみましたが、緻密に仕上げるのは後の工程が楽になる反面、当然時間がかかる上、方向性を間違えると、大幅に作業ロスが発生するリスクもあります。
幸い今回の作品では、ワンシーン不要になったくらいで済みましたが、描いている間は不安もつきまとったので、最初はラフなコンテで全体を見渡すような工程を挟んでも良いかな、と思いました。

また、今回は自分ひとりで絵を仕上げることが前提になっているので、このような形でしたが、作画や背景をグループで仕上げる場合は話が全然変わってくるとも思います。アニメーターとして作品に関わるなら、こんなにちゃんと描いてあるコンテは嫌です。
グループで仕上げるのであれば、絵はラフで、動画コンテだけでなく、絵コンテも共有したほうが良いと思います。説明書きが案外大事で、コンテ絵だけでは描き切れなかった情報が書いてあったりするので。

次回ですが、企画書などのプレゼン資料を振り返ってみたいと思います。
動画コンテ完成後、音楽の清水くんに始まり、声優さんであったり、音響のサポートをお願いしたい方々に依頼のメールを送りました。そのメールに添付した資料です。

こういったものこそ最終画面に残らないので、本当に簡素なのですが、大事なことさえ書いてあれば、このくらいで十分なのだということが伝わればいいなと思っています。

つづく

 

 

-イージー・アニメ・ライフ
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EAL: 第1回「一人で作れば、アニメは簡単」

投稿日:2018年10月20日

今日から『イージー・アニメ・ライフ』という連載のブログを始めます。今年7月に完成した『滞留して沈黙』の制作レポートです。本日youtubeに本編をアップしたので、よかったら観てください。

改めて『滞留して沈黙』について、製作面から説明をすると、「個人主体で企画、製作された自主制作アニメ」です。僕が一人で企画を立てて、一人で絵を描きつつ製作を管理して完成しています。
これは、仕事をしながら前々から思っていた「一人で作れば、アニメ製作はもっと簡単なのではないか」という仮説を実行に移した形です。実際よっぽど簡単だったようにも思うので、こういった形でレポートにまとめます。

このレポートの有用性としては、働く片手間で自主制作もしたい方には、何か有益な情報を提供できるかもしれませんし、初心者の方で既存の製作工程が複雑すぎて尻込みしてしまっている時には、最初の一歩くらいは後押しできるかもしれません。
とはいえ、あくまで個人的なレポートですので、あまり期待をせず、話が理解できて、興味を持てるところだけ読んでもらえると幸いです。全部読めば誰でもアニメが作れるとか作業スピードがあがるとか、そういった類いのものではありませんので、誤って一生懸命読まぬよう、お願いいたします。

では内容に入ります。
今日は、最終的にはレポート全体の概要を示そうと思うのですが、ひとまずはワークフローから振り返っていきたいと思います。

『滞留して沈黙』ワークフロー

緑色のところが自分でやった箇所で、その他が委託した箇所です。工数を少なく、シンプルな作り方を目指しました。「アニメ制作」の欄は非常に簡素ですが、本当にこの程度にしか作業手順を分けていません。そのあたりは後述するとして、とりあえず今日は、こちらのワークフローの図を元に、今作の制作を振り返ってみたいと思います。

制作期間

製作期間

全体で2年7か月になります。機材も仲間も、状況に応じて少しだけで作れますが、時間だけは圧倒的に必要になります。自主制作であれば尚更、時間を作ることがアニメを作ること、と言っても過言ではありません。最後の半年以外はずっとフルタイムで働いていて、1日2~3時間くらいしか作業はしていないのですが、それでも3年弱やっていれば、ひとつ作品が完成したりもするのです。

スタッフ、キャスト配置

スタッフ、キャスト配置

大半は音関係の方々です。
既知の仲だった人は3人で、人づてに紹介してもらった人は2人、後の3人はネットで検索して見つけた人たちです。どのつてもあなどれません。
困ったら検索をかければ、引き受けてくださる方がどこかで情報を出してくれているはずです。

それぞれの方とのエピソードなど、宣伝動画にまとめてありますので、よろしければ、こちらもぜひ(僕がしゃべるので、注意!!)。

自身の生活感の流れ

自身の生活感の流れ

全体で3つの時期に分けられます。
一番大変だったのは、やはり真ん中の「演出と作家を両立する期間」でしょうか。関わる人が増えれば増えるほど、想定外のことがいくらでも起こるので、注意が必要です。他のふたつは、特に何事もありません。

減らした工程のゆくえ(今回のレポートの概要)

減らした工程のゆくえ

本題に入ります。
作業手順はこの程度にしか分けていませんが、仕事を減らしているわけではありません。だいたいのものは、どこかに統合して始末をつけています。それでは意味がないようにも思いますが、そうとも言えません。

工程を統合すれば、関連する事柄を同時に検討することができます。これによって、必要と思って作ったものが最終的には使われなかった、というような作業ロスを減らすことができます。また同時に、最終段階で修正をしたくなった時に、工程を遡ることも容易です。そのあたり、個人主体だからこそできる、極力シンプルで身軽な手順の構築が、今作の制作面のテーマであり、このレポートの内容です。

また、宣伝動画では時系列順に制作を振り返りましたが、このレポートでは各工程を振り返っていく、というわけです。照らし合わせることで見えてくるものも、何かあるかもしれません。

とりあえず次回(おそらく1週間後くらい)は絵コンテを振り返ります。スタッフ&キャストには動画コンテと企画書しか渡していないので、僕以外ほとんど誰も見たことがない絵コンテです。特殊な仕様だったりするわけではありませんが、お楽しみに。

 

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