坂野友軌 [BANNO Yuki]_web - Part 3

北の関東

投稿日:

スマーク伊勢崎

もう2週間ほど経ってしまいましたが、先月の27日、第9回伊勢崎映画祭に行ってきました。今回は入賞のご報告も兼ねつつですが、前乗りした前日から撮ってきた写真を並べたいと思います。

1日目

伊勢崎駅からの赤城山

伊勢崎は群馬県の中央にある町です。上の画像は、伊勢崎駅から見る赤城山。ちなみに、当日まで僕も勘違いしてましたが、「いせざき」ではなく「いせさき」です。

華蔵寺公園への道中 日本最古の水上ジェットコースター 本日は終了しました 古い遊園地の観覧車から、見慣れた街見下ろす観覧車2

華蔵寺公園周辺をうろうろしていました。
観覧車は北関東最大とのこと、水上のジェットコースターは、日本最古のものとのこと(Wikipedia情報)。
北側の広場には昆虫のモニュメントがあります。わりと大きくて、間近で見ると迫力があります。

 

運動公園も併設されています。野球部だった僕には、どこか懐かしい景色です。

球場への道 運動公園 運動公園2 雲と電灯 日暮れの広場

日が暮れてからも2時間くらい歩きましたが、とりあえず寒い。群馬は関東だと思っていたので、東京と気候が違うことを知りませんでした。夜になると、北西から冷たい風が強く吹いてきて、何事かと思っていたのですが、上州名物の『空っ風』とのこと。気候も肌で感じられる、貴重な体験でした。

2日目

ホテルで一泊して当日の朝、外に出ると、うっすら雪が積もっていました。とりあえず、写真を撮りつつ、現地に向かいました。

うっすら雪が見える朝 下駄箱と赤城山 伊勢崎の国道 伊勢崎の町角 倉庫越しの赤城山 雪とイナバ物置 スマーク伊勢崎外観
これが会場です。イオンとか、ららぽーとのような、複合施設です。

映画祭は、司会の方がいて、音響や照明も使う、本格的なものでした。また、お客様も随分と入っていて、地域の方に愛されているイベントなのだと実感。印象的だったのは、お客様を交えての抽選会です。

ノミネート作品ごとに投票箱のようなものがあって、聞くところによると、グランプリ作品を予想して、的中した方の中から、抽選で1名様にプレゼントが当たる、というもの。これが、妙に現金な感じがして、おもしろいのです。気に入った作品に投票、ではなく、グランプリを獲りそうな作品を予想、ですから。

僕の作品は微塵もグランプリを獲る気配はなかったのですが、後でこっそり覗いたら、5枚ほど入っていました。こういう部分も楽しかったです。

 

ノミネート作品の上映の合間には、歴代のグランプリ作品の上映もありました。8年分を一気に拝見しましたが、良い意味で時代を感じる部分もあり、一方で時代を気にせず楽しめる作品ばかりでした。
その後表彰式があり、ありがたいことに『滞留して沈黙』が上毛新聞社賞を受賞しました。直後の挨拶でも言いましたが、これだけ個人的で、外側に何も発さない作品が賞をいただけるとは思っていなかったので、本当にありがたい限りです。

表彰状

しかし、作品としては僕が1人で作ったわけではないので、改めてスタッフ&キャストの方々に感謝です。今後も少しでも陽の目を見られるよう、できることをやっていきます。
ちなみに、会場のプレビ劇場の閉館に伴い、伊勢崎映画祭も今回で一旦の終了とのこと。これまでのグランプリ作品にも、特有のテイストがありましたし、現地のスタッフの方々も丁寧で優しかったので、惜しい限りです。

表彰式の後は別の会場で懇親会があったのですが、最初の案内以降、プレビ劇場の方々が見当たらなくて、帰り際に立ち寄ったら、撤収作業を始めていました。
おそらくこちらが本来の業務なのでしょう。
閉館当日でお忙しい中、本当にありがとうございました。

夕暮れのスマークシンボル

行きは伊勢崎駅方面から歩いたので、帰りは反対側の国定駅まで歩きました。

日暮れ_国定駅への道_01 日暮れ_国定駅への道_02 日暮れ_国定駅への道_03

写真は以上です。

 

今回の映画祭は、入賞もできて大変ありがたかったですし、北関東の気候も体験できて、勉強にもなりました。プレビ劇場の方々を初め、いろんな方との交流も、とても印象深いものとなりました。

次の機会があるかはわかりませんが、あればまた前向きに取り組んで行ければと思っています。

-コンペ
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2018年のまとめ

投稿日:

今年は個人的には、新作を発表したり、フリーランスとして働き始めたり、動きの多い1年となりました。ホームページも途中から変わってしまったので、こちらでこの1年の歩みをまとめておきたいと思います。

『滞留して沈黙』制作発表

http://beadschain.web.fc2.com/archives/180108.html

1月、今年はここから始まりました。発表と言っても、ホームページに記事をあげたのを、ツイートしただけです。以降、前年から引き続き、作品制作と上映会準備を続けます。

上映会

http://beadschain.web.fc2.com/archives/180722.html

7月、無事上映会を終えました。振り返れば、ここから生まれたつながりもちらほらありまして、上映者の方々、お手伝いいただいた方々、来てくださったお客様に改めて感謝です。

あと、『滞留して沈黙』も案の定コンペにあまり引っ掛からないので、きちんとした公開の場を先んじて設けておいて、本当に良かったという印象です。スクリーンも、大きなところにしておいて良かった。

Coordinate Base

8月は、フリーランスの形でCGアニメーターの仕事を再開すると同時に、フィギュアでレイアウトを作っていました。海洋堂様のアッセンブルボーグをお借りしています。こちらは可動式フィギュアのために生み出されたコンテンツということで、空間は違えど同じ立体物を動かす身として、とても親近感を抱いています。

ちなみに、『滞留して沈黙』を作り始める前に、いくつかアニメ以外の工作もろもろをやっていて、これはそのうちのひとつです。他はほとんど頓挫しました。

ホームページ移転+『滞留して沈黙』ネット公開

 

 

10月にホームページをこちらに移し、『滞留して沈黙』をネット公開しました。それに際して宣伝動画も作りましたが、出来はなんとも言えません。内容はちゃんと公開しておきたかったことだけに、手段を間違えたことが悔やまれます。

レポートブログ

https://bannoyuki.com/archives/category/eal

上記と同時期から、レポートブログを開始しました。全8回で、既に完結しています。スクリプトは少し需要があったようで、よかったです。

鶴川SMC参加

多摩地域の風情

『滞留して沈黙』が入選したので、11月末に参加して来ました。こういう機会は自分の作品にはそうそうないので、今後もあれば、ひとつひとつ、大切にしていきたいです。

バトスピPV3,4参加

先日vol.4が公開になりましたが、アニメーターに復帰して最初の仕事がこれです。ディレクターさん方と制作様を始め、関係各所に大変お世話になりました。
vol.3では、1:40~1:49を、vol.4では0:41~0:47と1:54~2:10を担当しています。
vol.4のサジットヴルム・ノヴァは、ケンタウロス型+羽、尾つきということで、動かすところが全部盛りのようなスピリットでしたが、スラッとした筋肉質で形が見やすいので、動かし甲斐のあるキャラクターでした。

仕事に関しては、今後可能な範囲で、情報を発信していけたらと思います。

今年1年の所感

最初に記した通り、様々な方面で動きの多い1年になったと思います。

その中での収穫と言えば、いろいろな意味で自分の本当のサイズが知れたことが挙げられます。

上映会をやろうと思えば、このくらいの規模のものができる、新作をネットで公開すれば、このくらいの人たちが観てくれる、等々です。仕事で商業作品に関わっていると、そのあたりで錯覚を起こすようになってくるので、このタイミングできちんと僕個人のスケールを把握できたことは今後のためを思っても、よかったと考えています。

一方で、何か行動を起こす時に、数字が後回しになる性格であることも思い知りました。

SNSを見ていると、いろんな人のいろんな数字が見えてきますし、それが気になるのも事実です。では数字最優先で行動を計画できるかと言えば、そうではありません。自分が歩んできた道や、今手元にあるもの、そして将来的にどうなっていきたいかのほうが、結局は優先されます。
今後は、もう少し垢抜けたほうに活動を進めていきたいとは思うのですが、それでも、規模や反響に関わらず、ひとつひとつ意義を持って行動し、後で見返した時に納得のできる道を歩んでいきたいと思っています。

 

来年の展望

フリーランスでのCGアニメーター生活は、なし崩し的に始まっています。あまり決意のもとで営んではいません。このあたりが、2019年、何かしらの形で決着するか否かが、個人的な関心事です。遅くとも2020年のうちには、と考えています。

次回作は、現在適当にメモを書いている程度ですが、2019年のうちに何かしら発表まで至ることは、ないと考えています。

個人的な活動としては、Twitterには日常的にいると思います。既にアップし始めていますが、自分が知っているCGアニメーションの可能性や魅力を、少しずつ発信していけたらいいなと思っています。

ということで、まだまだ先の見えない日々ですが、大事なものなど何もない身ですので、無防備に歩んで行けばいいかな、という気持ちです。今年1年ありがとうございました。2019年もよろしくお願いいたします。

 

 

-近況報告
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EAL: 最終回「楽しまなくてはいかんのか」

投稿日:2018年12月8日

 

今回改めて自主制作を作っていて、しばしば言われたのが「好きなものを作れて、楽しいでしょう?」ということでした。
楽しい時がないとは言いません。でも僕の場合は、年に1、2回くらいです。後の時間はだいたい「めんどいなぁ」か「しんどいなぁ」です。

また、「熱意のある人」とか、「作る衝動を抑えきれなかった人」というようにご紹介いただく時もありましたが、これも違います。
決意は熱くも大きくもなく、必要を感じる以上、やらざるを得ないだけです。

ではなぜ作るのか。

「作ることでしか歩めない一歩があるから」です。
今までも、作ることで一歩ずつ歩いて来ました。前の一歩で得た速度がゼロに近づき、「このままこんな日々が続けばいいなぁ」と思えないなら、また一歩あゆむしかないのです。
その中で楽しい時間があれば儲けものですが、そもそも楽しいか否かをあまり考えていません。

「やりたい」とか、「楽しい」より、もっと切迫した問題があるのです。

 

 

と、ここまで書きましたが、作中を振り返ると、その姿勢もいかがなものかと思ってしまいます。

弓永「楽しかったよ」 亀井「仕事のほうは、楽しい?」 弓永「楽しかったのかもしれない」 亀井「楽しかった?」

楽しいかどうかを気にできる時間は、それだけで満たされた気持ちになります。それを誰かと分かち合いたくて、僕はこの作品を作り始めたはずです。
作ることに苦労はつきもので、楽しくない時間があるのも当然ですが、自分の気持ちだけは、置き去りにしないであげてください。

 

 

最初に楽だと言っておきながら、最終的にはやっぱりつらい、という結論になってしまいました。ただ、自主制作を作っていて、つらい、という時間は、自分主導であればあるほど、誰とも共有できないものです。まずはその気持ちの存在を自分自身で認め、可能であれば、誰かに相談してみてください。僕自身、それでだいぶ救われました。そういう関係を築いていければ、生きること自体も、少しは楽になるかもしれません。

イージー・アニメ・ライフ、これにて終了です。最終回あまりに短いので、下に亀井が弓永を黙って見つめるカットを並べておきます。どちらかというと、こういう願望のほうが強いのだな、と今回初めて気づきました。
また、『滞留して沈黙』に関する広報活動もろもろも、自発的なものはこれですべて終了です。コンペに引っかかれば何かあるかもしれませんが、期待はしないほうがよろしいかと思います。
このレポートを最後までご覧いただいた方、『滞留して沈黙』ならびに僕自身をこの1年応援してくださった方、誠にありがとうございました。

弓永を見つめる亀井、その1 弓永を見つめる亀井、その2 弓永を見つめる亀井、その3

 

-イージー・アニメ・ライフ
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こちらは、CGアニメーターの坂野友軌が、自身の活動をまとめているサイトです。近況はTwitterにて。

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