第2回ですが、今回はコンテについて資料と共にまとめていきたいと思います。
絵コンテ
今作を作る上で、一番初めに描いたのは、絵コンテの1カット目です。
前回ワークフローで説明した通り、タイトルと、キャラ名、おおまかな構成の文字情報をメモした後の作業がこれです。
最終画面に残らない絵は、1枚たりとも描きたくない、という気持ちだったので、とにかく1カット目から描き始めました。
解像度は本番用と同じ(1600px, 900px)です。レイアウトとして使えるものを基準として描き始めています。
当時はphotoshop CS4で描いていて、一コマ描く度に、スマートオブジェクトでコンテのレイアウトにまとめていました。
今思えば、先んじてクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)を買っておいて、それで初めから描けばよかったと思います。コンテを描き始めた頃は、そのあたりのことを知らず、PCに入っていたCS4で作業を開始しました。photoshopを使用するにしても、スマートオブジェクトの「リンクで配置」ができるCC以降を使用するべきだったと思います。
キャラデや、服装、舞台の設定などは、必要になった時に、その場で考えて描きました。例えば、亀井(女の子のほう)の容姿は、彼女が出てくる1カット目まで、僕も知らないまま描いていたりしたのです。
もちろん、これできちんとしたデザインができているとは思いませんが、そこをがんばったところで、半人前にも満たない力量だと思うので、これでいいと思います。
後半もカラーで作ってあります。このあたりの背景は本番でもそのまま使えました。
動画コンテ
絵コンテ完成後は、動画コンテに落とし込みました。
上下に帯を入れてボールド等追加しています。セリフは言葉自体も入れました。こうしておくことで、声優さん等に依頼をする時に、絵コンテを送らないで済みます(ゆえに上記の絵コンテは、僕以外誰も見たことがないのです)。
また、動画コンテのコンポジットも本番用のサイズでできるので、カメラワークや歩きのローリングなども本番でそのまま使えます。作画とBGだけ本番用のものに差し替えれば、それだけでもう完成に至るのです。
以下、簡単にダイジェストにまとめたので、埋め込んでおきます。
SEや仮のBGMも著作権フリーのものを先んじて入れておきました。そのほうがタイミングが計りやすいですし、作品のイメージも伝えやすく、音響のたたき台としても使えるからです。
アフレコ時やBGM録音時に、参考のモニターとして使うこともできます。
参考のため、お借りしたサイト様のリンクを貼っておきます。
BGM
・DOVA-SYNDROME
これらのサイト様だけで十分賄えました。授業課題や、簡易的な自主制作であれば、そのまま完パケでもよかったくらいです。
まとめ
今作では、このようなテイストで絵コンテのほうやってみましたが、緻密に仕上げるのは後の工程が楽になる反面、当然時間がかかる上、方向性を間違えると、大幅に作業ロスが発生するリスクもあります。
幸い今回の作品では、ワンシーン不要になったくらいで済みましたが、描いている間は不安もつきまとったので、最初はラフなコンテで全体を見渡すような工程を挟んでも良いかな、と思いました。
また、今回は自分ひとりで絵を仕上げることが前提になっているので、このような形でしたが、作画や背景をグループで仕上げる場合は話が全然変わってくるとも思います。アニメーターとして作品に関わるなら、こんなにちゃんと描いてあるコンテは嫌です。
グループで仕上げるのであれば、絵はラフで、動画コンテだけでなく、絵コンテも共有したほうが良いと思います。説明書きが案外大事で、コンテ絵だけでは描き切れなかった情報が書いてあったりするので。
次回ですが、企画書などのプレゼン資料を振り返ってみたいと思います。
動画コンテ完成後、音楽の清水くんに始まり、声優さんであったり、音響のサポートをお願いしたい方々に依頼のメールを送りました。そのメールに添付した資料です。
こういったものこそ最終画面に残らないので、本当に簡素なのですが、大事なことさえ書いてあれば、このくらいで十分なのだということが伝わればいいなと思っています。
つづく