今回は『滞留して沈黙』を作る上で自作したAEスクリプトをいくつか載せます。
すべて、GitHubにて公開しているので、ご自由にお使いください。
・https://github.com/beadschain/bs_AEScripts
早速ひとつずつ紹介していきます。
sheetRemap
前回もご紹介したものです。クリスタから出力したタイムシートのcsvデータをAEに読み込んでタイムリマップのキーを打つスクリプトです。
csvデータを、手打ちでT-sheetなどのデータに変換する手間から解放されます。
アニメーションレイヤー別にリスト化して表示をするので、適用したいものを選択してOKを押せば大丈夫です。空セルにも対応しています。
panTrace
大判カットで使用します。カメラコンポでつけたカメラワークを、大判コンポのほうで参照できるようになります。
CG側から、BGや作画の原図を出す際に、便利です。撮影時も、映らないところに手間をかけるリスクが減るかと……。
TU.TBにはきちんと対応し切れていません。頑張って勉強すれば計算式が導き出せるはずなのですが、今のところ諦めています。
movieQueue/proxyQueue
・bs_movieQueue_sample.jsx
・bs_proxyQueue_sample.jsx
ムービー書き出しとしてレンダーキューに追加するmovieQueueと、プロキシ出力としてレンダーキューに追加するproxyQueueです。
bryfulさんが公開されていたラジオボタンのダイアログサンプルをお借りして、キュー追加用に書き変えたものです(たぶん他のスクリプトのダイアログもこれを元にして組み変えています)。
movieQueueは、プロジェクトや、作業段階によってチェックムービーの書き出し形式が異なる時に重宝します。proxyQueueはプロキシを多用する時に、大変助かります。
ちなみに、これらはドライブレターやフォルダ構造に依存する部分があるので、コードを編集しての使用を前提としています。
上記のムービーでは、参考までに個人的な設定のままでスクリプトを実行していますが、ダウンロード用はエラーが出ないようにAEのデフォルトプリセットでも問題なく動ける設定に直しています。
カスタマイズは以下の部分を書き変えてください。
・movieQueue
・proxyQueue
書き変え方がわからなければ、とりあえず「AE スクリプト」で検索すれば、なんとかなります。先人の方々が本当に丁寧に情報共有をしてくださっていて、ありがたさが身に沁みます。
動作環境
win7と、adobe After Effects CC2014にて動作は確認しています。
sheetRemapはひょっとしたら大丈夫かもしれませんが、他のふたつは、AEのほう日本語版じゃないといろいろ問題は出ると思います。
あと、proxyQueueは、CC2014以前のバージョンだと絶対に動きませんので、CS5や6を使っている方は、使用を諦めるか、79行目にあるsetSettings()を使わない形に書き換えてください。
免責など
GitHubで公開していて、ライセンスはMITライセンスを元に、著作権等の表示義務の文章を削ったものを適用しています(https://github.com/beadschain/bs_AEScripts/blob/master/LICENSE)。
MITライセンスについては、こちらで簡単に知ることができるかと(https://wisdommingle.com/mit-license/)。
端的に言えば、このスクリプトは、なんにでも自由に使って良いですが、それによっていかなる問題が起こっても、作者は何の責任も負いません。という状態になっています。
ダイアログボックスの表示など、ネットで公開されているものから拝借させていただいている部分がありつつも、免責もしておきたい中で、このような形が良いのかなと判断しました。
このあたり、問題がありそうでしたら、ban3yk@gmail.comまでご連絡いただけると幸いです。
次回も技術的な内容を振り返ります。AEでいろいろやってみたチップス的な内容になると思います。どれだけ簡略化しても、作画で動かそうとすると膨大な時間がかかるので、その負担をなんとかAEで減らせないか、という試みです。 お楽しみに